導入事例|i-PRO株式会社 PLM領域

導入事例

i-PRO株式会社 PLM領域

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会社名 i-PRO株式会社
業種 製造業・メーカー
従業員数 1,300名
事業内容 セキュリティ・医療・産業分野向け機器・モジュールの開発、製造、販売
システムインテグレーション、施工、保守、メンテナンス及びこれらに関するサービスを含む各種ソリューションの提供

i-PRO株式会社(以下、i-PRO)は、2019年10月にパナソニック株式会社からカーブアウトした新会社であり、大規模にシステムを刷新することになりました。アトラシアン製品を活用した社内システム実現のために、INNOOVのアトラシアン製品導入支援コンサルティングの利用をスタート。

PLM(製品ライフサイクル管理)/PDM(製品情報管理)領域で技術文書と日程の管理をしているQMS対応をした開発マネジメントシステムがあり、これを自社のシステムとして再構築する必要がありました。開始から約9ヶ月間という短期間で同じような仕組みをAtlassian製品で再構築しました。

以下は、i-PRO株式会社のエンジニアリングマネジメントサービスの松本様、嶺岸様、出口様、ビジネスプロセステクノロジーセンターの岡田様と弊社の小西でトークセッションをしたものです。アトラシアン製品を使い始めてどのように変化してきているのかについてお聞きしました。

*本記事はインタビュー実施時点(2023年6月時点)での情報です。

 

対象部門 コーポレートテクノロジー, エンジニアリングマネジメントサービス
導入製品 Jira Software Cloud, Confluence Cloud, Jira Service Management Cloud
導入前の課題
  •  PLM領域で技術関係の文書と日程を管理しているシステムがあり、これを自社のシステムとして再構築する必要があった。
  • 約9ヶ月間という短期間でQMS監査対応(ISO9001)している同じような仕組みを構築する必要があった。

 

会社名 i-PRO株式会社
業種 製造業・メーカー
従業員数 1,300名
事業内容 セキュリティ・医療・産業分野向け機器・モジュールの開発、製造、販売
システムインテグレーション、施工、保守、メンテナンス及びこれらに関するサービスを含む各種ソリューションの提供

i-PRO株式会社(以下、i-PRO)は、2019年10月にパナソニック株式会社からカーブアウトした新会社であり、大規模にシステムを刷新することになりました。アトラシアン製品を活用した社内システム実現のために、INNOOVのアトラシアン製品導入支援コンサルティングの利用をスタート。

PLM(製品ライフサイクル管理)/PDM(製品情報管理)領域で技術文書と日程の管理をしているQMS対応をした開発マネジメントシステムがあり、これを自社のシステムとして再構築する必要がありました。開始から約9ヶ月間という短期間で同じような仕組みをAtlassian製品で再構築しました。

以下は、i-PRO株式会社のエンジニアリングマネジメントサービスの松本様、嶺岸様、出口様、ビジネスプロセステクノロジーセンターの岡田様と弊社の小西でトークセッションをしたものです。アトラシアン製品を使い始めてどのように変化してきているのかについてお聞きしました。

*本記事はインタビュー実施時点(2023年6月時点)での情報です。

対象部門

コーポレートテクノロジー, エンジニアリングマネジメントサービス

導入製品

・Jira Cloud
・Confluence Cloud
・Jira Service Management Cloud

導入前の課題

・PLM領域で技術関係の文書と日程を管理しているシステムがあり、これを自社のシステムとして再構築する必要があった。

・約9ヶ月間という短期間でQMS監査対応(ISO9001)している同じような仕組みを構築する必要があった。

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Atlassian Cloudで製造管理における
日程管理/WF管理/文書管理を一元化

Atlassian製品の Jira Software Cloud と Confluence Cloud で、
PLM領域での日程管理・WF管理・文書管理ソリューションを構築。

APIや自動化の活用によって管理の効率化を実現。

 

Atlassian Cloudで
製造管理における
日程管理/WF管理/文書管理を一元化

Atlassian製品の Jira Software Cloud と Confluence Cloud で、PLM領域での日程管理・WF管理・文書管理ソリューションを構築。

APIや自動化の活用によって管理の効率化を実現。

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【顧客とトークセッション】
製造日程管理, 文書管理, WF管理における
Atlassian製品の活用

【顧客とトークセッション】
製造日程管理, 文書管理, WF管理における
Atlassian製品の活用

PLMインタビュー画像1

コーポレートテクノロジー
エンジニアリングマネジメントサービス
マネージャー

松本 和也 氏

技術管理サービスを担当。社内で用意されている業務管理ツール・システムなどについて、利用する技術者のサポートをしている。技術管理システムの運用・管理(ユーザー管理やワークフローのメンテナンス等)に業務の一環として取り組まれている。


コーポレートテクノロジー
エンジニアリングマネジメントサービス
シニアエンジニアリングマネージメントスペシャリスト

嶺岸 悦雄 氏

開発管理、開発進捗管理を担当。新製品開発におけるデザインレビュー、日程会議など、開発の上流について技術者と連携をするといった開発支援をしている。

また、商品企画の決裁ワークフローのメンテナンスも対応している。


コーポレートテクノロジー
エンジニアリングマネジメントサービス
シニアエンジニアリングQMSスペシャリスト

出口 高志 氏

QMS(品質マネジメントシステム)に関する技術側での品質行政サービスの提供をしている。全体的な運用を管理しており、技術全般のフォローをしている。


ビジネスプロセステクノロジー
ITインフラ & 情報セキュリティ
マネージャー

岡田 裕文 氏

社内のインフラ全般を担当し、Atlassian製品以外にも、パソコン、社内LAN、リモートワークのネットワークアクセス、基幹系ソフトウェア(Outlook, Teamsなど)の運用メンテナンス等をしている。

また、技術部門内での業務改善にも取り組まれている。


 


コーポレートテクノロジー
エンジニアリングマネジメントサービス
マネージャー

松本 和也 氏

技術管理サービスを担当。社内で用意されている業務管理ツール・システムなどについて、利用する技術者のサポートをしている。技術管理システムの運用・管理(ユーザー管理やワークフローのメンテナンス等)に業務の一環として取り組まれている。


コーポレートテクノロジー
エンジニアリングマネジメントサービス
シニアエンジニアリングマネージメントスペシャリスト

嶺岸 悦雄 氏

開発管理、開発進捗管理を担当。新製品開発におけるデザインレビュー、日程会議など、開発の上流について技術者と連携をするといった開発支援をしている。
また、商品企画の決裁ワークフローのメンテナンスも対応している。


コーポレートテクノロジー
エンジニアリングマネジメントサービス
シニアエンジニアリングQMSスペシャリスト

出口 高志 氏

QMS(品質マネジメントシステム)に関する技術側での品質行政サービスの提供をしている。全体的な運用を管理しており、技術全般のフォローをしている。


ビジネスプロセステクノロジー
ITインフラ & 情報セキュリティ
マネージャー

岡田 裕文 氏

社内のインフラ全般を担当し、Atlassian製品以外にも、パソコン、社内LAN、リモートワークのネットワークアクセス、基幹系ソフトウェア(Outlook, Teamsなど)の運用メンテナンス等をしている。
また、技術部門内での業務改善にも取り組まれている。


 

質問①今回Atlassianで構築したシステムは主にどのユーザーが利用されていますか?またどれくらいの規模で使われていますか?

松本氏(i-PRO):技術のメンバーは全員ですね。開発に関わるようなドキュメントの管理や日程管理のメール配信をしているので、主にはその技術メンバーということになります。日本のメンバーという意味だと600名程で、あとは蘇州(中国)のメンバーも何名か見ているので、600~700名程になると思います。規模としては大体それくらいの規模かと思います。

INNOOV小西:ユーザーは技術の方々なんですね!

松本氏(i-PRO):(技術メンバーが)メインではありますが、開発の中で特定のイベントを経て製品をリリースしますというような日程情報も含まれるので、その関係者(営業 など)も参照することがありますね。

 

質問②このシステムはPLMという広義のシステムの中でどのような機能を果たしていますか?また、どのような役割を果たしていますか?

INNOOV小西:このシステムは、PLM(製品ライフサイクル管理)という広義のシステムの中でどのような機能を果たしているのか、またどのような役割を果たしているのか教えていただきたいです。

松本氏(i-PRO):大きく2つあります。一つ目が日程の見える化です。
QMS的に品質管理の方で定義をしている「イベント」、開発のステップのようなものがありますが、どのタイミングで会議やイベントがあるのかといった日程の見える化をするということです。

そして二つ目が、それに関連した文書の管理をするドキュメント管理です。その中で、ドキュメントの承認やイベントの承認がありますので、そこではJiraを活用して、ワークフロー機能を実現して運用しております。

画像2

i-PRO株式会社 松本 和也 様


INNOOV小西:PLMではBOM(Bill Of Materials; 部品表・部品構成表)などのシステム/仕組みがメインになると思いますが、そことの棲み分け/兼ね合いというのはどのように考えていますか?

松本氏(i-PRO):今時点では、PLMの製品情報管理というのは別にシステムがあります。そのシステムでは工場に引き継ぐ内容や、BOMの情報などを管理しています。

一方で、Atlassian製品を使っているシステムでは、それを開発をしていく中で発生する開発ドキュメントというのを管理しています

部品表と関連付けが必要なドキュメント(例:製造規格書・部品の仕様書)は別の仕組み(PDMシステム)を使って工場に内容を引き継ぎ、各イベントに対して作成したその他のドキュメントは、このアトラシアン製品を利用したシステムで管理をする、そういった棲み分けになっています。

質問③そのシステムが管理している文書の量や製品数などの規模感は?

INNOOV小西:管理している文書の量や、管理している製品数などの規模感を教えていただけますでしょうか?

嶺岸氏(i-PRO):平均すると、だいたい20テーマ(プロジェクト)前後ぐらいが常に動いてると思います。各テーマの下に平均10品番、最近だと30品番程あるので、20×30=600品番程の文書を管理しているという感じになるかと思います。

出口氏(i-PRO):いろいろありますが、大体一つの工程で、5~20の文書を扱うことになりますね。プロジェクトの大小によって、何工程分の文書情報をこのシステムに入れるかは様々ですが、5~10の工程を1プロジェクトあたりでやりますので、その掛け算といった感じでしょうか。

またこのシステムはある意味「品質記録文書」という形で扱わせていただいておりますので、公的な機関での監査などでも使わせていただいます。

そういった意味でいうと、100~500ものの重要な文書を1プロジェクトで管理しているというふうに考えてよいかと思います。技術法規などの法規関連の非常に重要な文書をここで管理させていただいています

INNOOV小西:重要な文書が全部集約されているということなんですね。今回構築したシステムは本当に重要な役割を担っているのですね。

松本氏(i-PRO):そうですね。神様ファイルといいますか、「承認されたものはここに入っています」というように説明できるので、ISO9001*の監査対応などでそこを使っています。

*ISO9001:国際標準化機構が発行した品質マネジメントシステム(QMS)の規格であり、品質の高い製品やサービスを提供するための仕組みを構築して運用して適切に管理していることを証明する認証
 参考:概要 | ISO 9001(品質) | ISO認証 | 日本品質保証機構(JQA)

出口氏(i-PRO):年に1回 ISO9001の定期監査があり、必要に応じて随時見せています。エビデンスを提示を求められた際に、必ずこのシステムを経由して文章を取り出して見ていただくというような運用になっているので、監査対応においても重要な役割があります。

 

質問④ 従来のスクラッチシステムからAtlassian製品にリプレイスされたことでどのような変化がありましたか?

嶺岸氏(i-PRO):個人的には、クラウドになったことで、日本で構築したシステムであっても例えばアメリカの現地の方々がそのシステム上でワークフローを回付して合議をするといった、従来できなかったようなグローバル利用が実現したことは非常に大きいことかなと思います。

現在はアメリカですけれども、今後はEMEAとかAPACなどの現地の方々も責任者になって商品の出荷認定に対して合議としていくような形になった際は、さらにクラウドの力を発揮するのではないかと思います。 

INNOOV小西:グローバルで、リアルタイムで回付・承認をしていけるような仕組みにしていくということですね。

岡田氏(i-PRO):クラウドになったということは大きいと思いますね。前のシステムは完全にオンプレミスでの仕組みだったので。

INNOOV小西:ということは従来のシステムではイントラネットやVPNに接続しないとシステムにアクセスできなかったということですか?

岡田氏(i-PRO):はい。

出口氏(i-PRO):さらにいうと、フルスクラッチ* で自分たちでシステムを作っていたので、新しいOSや新しい仕組みについていくのが困難であったり、定期的にバージョンアップがあったりしました。そういった意味でも日々、世の中と同じペースでシステムがどんどんアップデートしていくという点においてもこの差はすごく大きいなというふうに感じています。

*フルスクラッチ:ソフトウェアやシステムを既存のコードやアプリケーションなどを利用せずにゼロからつくりあげること

INNOOV小西:確かにクラウド製品は、バージョンアップ、機能アップデートなどのアップグレード作業を自分たちでやらなくて済むというのは非常に良い点かなと思いますね。

出口氏(i-PRO):多分、世の中がIEからクロミウム系にガラッと変わった時は、前のシステムでは大打撃だったと思うんですよ。そういう点で安心して使っていけるのは、クラウドはかなり違うなというふうに感じています。

岡田氏(i-PRO):最近でてきたConfluence Cloudの「データベース機能」とかも、普通のスクラッチだとなかなかアップデートってないと思うんですよね。活用できるかどうか検証がいるとは思いますが、どんどん新しい機能が入ってきて使いやすくなっているというところがあるので、是非サポートをお願いしたいと思っています。

image (137)

i-PRO株式会社 岡田 裕文 様

INNOOV小西:全力でサポートしてまいります!あとは、クラウドの良さである一方で懸念される要素でもあると思われる点ですが、クラウド製品は「勝手に」アップデートされていきます。

受け取り方によっては、「今までの仕様が勝手に変わるのはどうなのか」という声もある中、御社では「新しい機能が出てくるから、それらを活用していこう」という受け取り方をされているのがすごくいいなと私個人思っています。

新機能をすぐ業務プロセスで活用するということは非常に難しいことだと思います。

そこは僕たちが伴走をして一緒に検証して、この要望はこの機能で実現できそうですねとか、この機能はこういう課題があるから使うの難そうですねとか、機能の実用性を一緒に判断していけるので是非お手伝いさせていただければなと思っています。

松本氏(i-PRO):やはり、機能向上や改善のハードルが低くなったという点がこのシステムにリプレイスしたことで起きた変化だと思います。

自前でサーバーを用意して構築すると、一つの新しい機能を作るに何百万とかかかる場合があるので、ほんの少しの改善でもかなりハードルが高かったのですが、今の仕組みではローコード/ノーコードで対応できたり、こちら(ユーザー)側で設定できる部分も以前よりは増えていると思うので、そういったところでの改善も期待できますし、いいなと思っています。

INNOOV小西:ちなみにスクラッチ開発のシステムの場合、変更をかけるとなるとどれぐらいの期間・規模になるのでしょうか?

岡田氏(i-PRO):開発する機能にもよるけど、3ヶ月~半年で数百万円くらいはかかると思いますね。まずヒアリング受けて、見積もり出して、だいたい齟齬があったりするのでまたその繰り返しですかね。(よくあるスクラッチ開発だと)あんまりトライ&エラーってできないので、テストが上がってきて初めて実機を見てなんか違うぞみたいなこともあるので、費用面もそうですけど時間もかなりかかると思います。

INNOOV小西:このシステムリプレイスのプロジェクトの開始っていつ頃でしたっけ?

岡田氏(i-PRO):スタートは2021年7月でリリースは2022年の5月頃ですね。最初は、前のシステムはこんな感じですみたいなのを少しお伝えしました。

嶺岸氏(i-PRO):ただ、従来のスクラッチシステムでは作り込みがあって、見え方もこういう感じにしてもらいたいというのがあって、かなり作り込んでいました。なので、今回構築したシステム(Jira/Confluence)のほうでは、スクラッチと比べて制約があります。ある程度標準機能の中で頑張って(要望を実現して)いるんだということもわかるので、その点については、これからもお互いに話しをしながら、より良い形を見つけていってほしいなと思います。

出口氏(i-PRO):Jiraの標準機能で実現いただいてるので、「こういうことがやりたい」などのカスタマイズ要望に対して、フルスクラッチのものに比べると圧倒的にハードルが低いというメリットを享受させていただいてるのかなと思っています。

フルスクラッチで作るときになると、「それは実現が難しい」とか「費用が掛かる」などといったやり取りをSEの人とすることがあるのですが、それが少なくなって、もちろん小西さんとかにいろいろと提案をいただいてるので、そういったことが達成できるようになったという点が、前のシステムとの違いなのかなというふうに感じてますね。

標準的に備わっているもので作り上げていくというところが、やっぱりフルスクラッチとの大きな差ですね。

INNOOV小西:システムのプラットフォームにおいて、カスタマイズが簡単にできる仕組みは、制約も多い。そこのトレードオフの中でどう最適化してより良い形を見つけていくかっていうところなんですよね。

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INNOOV株式会社 小西

これをやりたいんだけど、仕様上難しいというのがどうしても出てきてしまうので、ユーザー側の運用でカバーするのか、サードパーティーのアドオンを使うのか、あるいは標準の機能を使って見せ方を変えるか、管理の仕方における考え方自体を変えるのか、それらの選択肢の中で常に最適な方向を探していく。これは日々地道にやっていくしかないなというふうに思ってます。

 

質問⑤ Atlassian製品にリプレイスされたことで社内でのコミュニケーションにおいて変化はありましたか?

INNOOV小西:この新しいシステムになって、社内のコミュニケーションにおいて変化がありましたか?

松本氏(i-PRO):やっぱりJiraやConfluenceを使っているので、そこにできるだけ関連する情報を載せていこうという意識の変化みたいなところは、まだまだこれからですけれども、そういう流れは感じています。

TeamsやSharePointなど他のツールもいろいろあるんですけども、ConfluenceというWikiというかいろいろな情報を簡単に共有できるツールがあるということで、そこで内部のノウハウなどを関係者に見てもらえるようにするといったところのハードルが下がっているように思います。

岡田氏(i-PRO):Confluenceでいえば、関連するドキュメント上でスレッド形式でサクッとやりとりしたり、Jiraだとタスクやワークフローのチケット上でやり取りができるのでその辺は楽ですね。SharePointだとその上でやり取りできないので、どのツールで関係者と会話するか迷いますし、別で「ここに置いている文書についてですが」ってメールを打ったりすることをよくしていました。

出口氏(i-PRO):あとは、カンバンという見せ方ですね。全プロジェクトが今どうなっているのかについて一目で把握できるというところが大きなポイントかなと思います。

弊社の場合はソフトウェアだけでなくハードウェアも作るので、プロジェクトで実際に開発しているメンバーだけでなくSCMや製造など、様々な部署が製品の立ち上げに関して情報共有していかななくてはいけない。どの商品が今どの段階にあって、日程的に遅れているのかどうか、またどれぐらい遅れているのかがカンバンで可視化されるところが今回構築したシステムによって非常に分かりやすくなったのではないかなと思っています。

INNOOV小西:ありがとうございます。カンバン(ボード)はやっぱりJiraという製品の中でもぜひ活用してほしい機能ですね。

ただ、ワークフローのプロセスやプロジェクトの進捗をボード上でどう表現して視覚的にわかるようにするかというのはなかなか難しいかと思います。

ここのステップで滞留しがちだなとか、並行してこの2つが動いてるんだなとか、縦・横の位置関係をうまく使って視覚的に状況が分かるようになると、関係者やステークホルダーに状況をスムーズに伝えられるようになると思います。

 

質問⑥ 推進チーム内部での管理においてConfluenceは活用されていますか?

INNOOV小西:推進チーム内でもConfluenceを使ってナレッジを作るなどして内部での管理をされているかと思いますが、どのように活用されていますでしょうか?

松本氏(i-PRO):他のシステムの運用などにおけるノウハウや、技術者によく聞かれる内容をFAQのような形でまとめたり、あとは内部の運営管理メンバーで共有しなければいけないような内容・ノウハウをConfluence上でまとめて可視化をしています。属人的なノウハウがずっとこれまでかなりあったのですが、それらを個人から引き出してチーム内で可視化・共有していくためにConfluenceを活用しようとしています。

INNOOV小西:きれいに作られていますね。テーブルなどのマクロをうまく使って視認性を上げられています。

出口氏(i-PRO):今まで我々の方で情報発信するプラットフォームっていうのはなくはなかったのですが、Wikipediaのエンジンをそのまま乗せて使っていたんですね。そうするとWikiの構文が割と取っ付きにくかったんです。Confluenceはその点Wordと同じような感覚で文章が書けたり、表が載せられたり、ドキュメントが添付できたりっていうところで、発信する側にとっての技術的なハードルが非常に下がったんですね。

今までは一部の人間が地道にWikipediaのページを更新するっていうような形だったのですが、現在はみんなで技術者にとって役立つ情報を発信し、また、推進チーム内でもお互い何をやってる人なのかわからないという状態を解消していこうとしています。その際、Confluenceを大変有効に活用させていただいています。

松本氏(i-PRO):ユニークアクセスがどれくらいあるかわかるビューがありますよね、ページ毎で。

INNOOV小西:はい、Confluenceのアナリティクス機能ですね。

松本氏(i-PRO):「ビュー数が上がっていないから、このページは少し変えた方がいいのかな」とか、「子ページへの動線はどうかな」とか、そういったことが考えられるようになってきたなと感じるところはありますね。

出口氏(i-PRO):このページアナリティクスを見ていると、コンテンツは技術の人だけが見てるわけじゃないというのがわかったりして、違う視点からも情報を提供しなきゃいけないなという気づきが出てくるんですよね。どういう人がコンテンツを見ているのかを気にするようになってきたのは、やはりConfluenceのこういった機能ゆえだと思っています。

 

質問⑦ Atlassian製品でのお気に入りの機能は?

INNOOV小西:利用されているAtlassian製品においてお気に入りの機能はありますか?

嶺岸氏(i-PRO):Confluenceのウォッチ機能ですね。自分がウォッチしているページが更新されたら、メールが飛んでくるという機能です。実際には、開発支援として日程会議やデザイン会議の開催案内、結果報告などを個別にメールで送信していました。しかし、この方法では情報を求めている人に届かない場合もありましたし、特定のメンバーだけが情報を受け取っていたりすることもありました。そのため「必要な情報だけを取得したい」、「個別にメールに含めてほしい」などの要望がありました。

そこで、Confluenceのウォッチ機能を活用することにしました。

これによって、技術関連およびDR関連のイベント情報や結果報告などアップデートをリアルタイムで知りたいユーザーは自身で対象ページをウォッチすることで必要な情報をすぐに入手することができます。

現在この機能の活用による効果を確かめているところです。

 

質問⑧ 今どのような課題がありますか?

INNOOV小西:時間も迫ってまいりました。ここもざっくばらんに話していければ思いますが、今のこの仕組みにおいてどのような課題がありますか?プロセスにおける大きな課題はありますか? 

岡田氏(i-PRO):ITの観点で言うと、やはりかなりの短期間で構築したというのもあって、テンプレートのバリエーションがまだあまり多くない点ですかね。追加の開発イベントが出た際の対応や、不要なステップも自動生成されてしまうなどの課題はあります。現在まさにそこの改善を進めているところではありますが。ようやくその辺のところをもう少し改善できるところまで来ているのかなというふうには思っています。

嶺岸氏(i-PRO):システム側の課題ということよりかは、運用の課題なのですが、JiraとConfluenceという2つのツールがある中で、Jiraをまだ活用しきれていない点ですね。

ここの仕組みの中では、技術部門のユーザーはJiraよりもConfluenceの文書管理とかファイルのアップロードのほうが主に利用にされているのですが、Jira側のチケットも使って関係者とコラボレーションしたり情報共有するなどの活用がもっとできると思っています。

これについてはユーザーの方々と会話をしながら、Jiraでのタスク管理とか、チケットでのコメント機能を使ったコミュニケーションなど、活用方法をもっと周知していって、ユーザーの皆さんに標準機能をどんどん使っていただいて、パフォーマンスを上げてもらいたいなと思っています。

 

質問⑨ 今後どのような改善をしていきたいですか?

INNOOV小西:では最後の質問となります。今後、どんな改善をしていきたいですか?

松本氏(i-PRO):Confluenceに新しい機能として「データベース」機能が出てきたので、コンテンツの視認性を向上させたり、同じ情報からビューを変えて閲覧できるようにするなど、いろいろなことができそうなので、うまく活用していければなと考えています。

出口氏(i-PRO):QMS的な観点だと、まだまだQMSについては使いやすさというか、より実態に合わせた形で品質を担保できるような形での改善というのを継続的に進めていかなくてはいけないですね。

例えば、どのドキュメントがどの部門の人にどれぐらい見られてるのかといったように見える化できるようになってくると、このドキュメントは実際には活用されてないので作っても意味がないといった判断ができるようになります。QA(品質保証)と協力しながら、そういう分析にも手をつけていけたらなと思っています。

 

INNOOV小西:本日はお時間いただき誠にありがとうございました。

質問①今回Atlassianで構築したシステムは主にどのユーザーが利用されていますか?またどれくらいの規模で使われていますか?

松本氏(i-PRO):技術のメンバーは全員ですね。開発に関わるようなドキュメントの管理や日程管理のメール配信をしているので、主にはその技術メンバーということになります。日本のメンバーという意味だと600名程で、あとは蘇州(中国)のメンバーも何名か見ているので、600~700名程になると思います。規模としては大体それくらいの規模かと思います。

INNOOV小西:ユーザーは技術の方々なんですね!

松本氏(i-PRO):(技術メンバーが)メインではありますが、開発の中で特定のイベントを経て製品をリリースしますというような日程情報も含まれるので、その関係者(営業 など)も参照することがありますね。

 

質問②このシステムはPLMという広義のシステムの中でどのような機能を果たしていますか?また、どのような役割を果たしていますか?

INNOOV小西:このシステムは、PLM(製品ライフサイクル管理)という広義のシステムの中でどのような機能を果たしているのか、またどのような役割を果たしているのか教えていただきたいです。

松本氏(i-PRO):大きく2つあります。一つ目が日程の見える化です。
QMS的に品質管理の方で定義をしている「イベント」、開発のステップのようなものがありますが、どのタイミングで会議やイベントがあるのかといった日程の見える化をするということです。

そして二つ目が、それに関連した文書の管理をするドキュメント管理です。その中で、ドキュメントの承認やイベントの承認がありますので、そこではJiraを活用して、ワークフロー機能を実現して運用しております。

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i-PRO株式会社 松本 和也 様


INNOOV小西:PLMではBOM(Bill Of Materials; 部品表・部品構成表)などのシステム/仕組みがメインになると思いますが、そことの棲み分け/兼ね合いというのはどのように考えていますか?

松本氏(i-PRO):今時点では、PLMの製品情報管理というのは別にシステムがあります。そのシステムでは工場に引き継ぐ内容や、BOMの情報などを管理しています。

一方で、Atlassian製品を使っているシステムでは、それを開発をしていく中で発生する開発ドキュメントというのを管理しています

部品表と関連付けが必要なドキュメント(例:製造規格書・部品の仕様書)は別の仕組み(PDMシステム)を使って工場に内容を引き継ぎ、各イベントに対して作成したその他のドキュメントは、このアトラシアン製品を利用したシステムで管理をする、そういった棲み分けになっています。

質問③そのシステムが管理している文書の量や製品数などの規模感は?

INNOOV小西:管理している文書の量や、管理している製品数などの規模感を教えていただけますでしょうか?

嶺岸氏(i-PRO):平均すると、だいたい20テーマ(プロジェクト)前後ぐらいが常に動いてると思います。各テーマの下に平均10品番、最近だと30品番程あるので、20×30=600品番程の文書を管理しているという感じになるかと思います。

出口氏(i-PRO):いろいろありますが、大体一つの工程で、5~20の文書を扱うことになりますね。プロジェクトの大小によって、何工程分の文書情報をこのシステムに入れるかは様々ですが、5~10の工程を1プロジェクトあたりでやりますので、その掛け算といった感じでしょうか。

またこのシステムはある意味「品質記録文書」という形で扱わせていただいておりますので、公的な機関での監査などでも使わせていただいます。

そういった意味でいうと、100,500ものの重要な文書を1プロジェクトで管理しているというふうに考えてよいかと思います。技術法規などの法規関連の非常に重要な文書をここで管理させていただいています

INNOOV小西:重要な文書が全部集約されているということなんですね。今回構築したシステムは本当に重要な役割を担っているのですね。

松本氏(i-PRO):そうですね。神様ファイルといいますか、「承認されたものはここに入っています」というように説明できるので、ISO9001*の監査対応などでそこを使っています。

*ISO9001:国際標準化機構が発行した品質マネジメントシステム(QMS)の規格であり、品質の高い製品やサービスを提供するための仕組みを構築して運用して適切に管理していることを証明する認証
 参考:概要 | ISO 9001(品質) | ISO認証 | 日本品質保証機構(JQA)

出口氏(i-PRO):年に1回 ISO9001の定期監査があり、必要に応じて随時見せています。エビデンスを提示を求められた際に、必ずこのシステムを経由して文章を取り出して見ていただくというような運用になっているので、監査対応においても重要な役割があります。

 

質問④ 従来のスクラッチシステムからAtlassian製品にリプレイスされたことでどのような変化がありましたか?

嶺岸氏(i-PRO):個人的には、クラウドになったことで、日本で構築したシステムであっても例えばアメリカの現地の方々がそのシステム上でワークフローを回付して合議をするといった、従来できなかったようなグローバル利用が実現したことは非常に大きいことかなと思います。

現在はアメリカですけれども、今後はEMEAとかAPACなどの現地の方々も責任者になって商品の出荷認定に対して合議としていくような形になった際は、さらにクラウドの力を発揮するのではないかと思います。 

INNOOV小西:グローバルで、リアルタイムで回付・承認をしていけるような仕組みにしていくということですね。

岡田氏(i-PRO):クラウドになったということは大きいと思いますね。前のシステムは完全にオンプレミスでの仕組みだったので。

INNOOV小西:ということは従来のシステムではイントラネットやVPNに接続しないとシステムにアクセスできなかったということですか?

岡田氏(i-PRO):はい。

出口氏(i-PRO):さらにいうと、フルスクラッチ* で自分たちでシステムを作っていたので、新しいOSや新しい仕組みについていくのが困難であったり、定期的にバージョンアップがあったりしました。そういった意味でも日々、世の中と同じペースでシステムがどんどんアップデートしていくという点においてもこの差はすごく大きいなというふうに感じています。

*フルスクラッチ:ソフトウェアやシステムを既存のコードやアプリケーションなどを利用せずにゼロからつくりあげること

INNOOV小西:確かにクラウド製品は、バージョンアップ、機能アップデートなどのアップグレード作業を自分たちでやらなくて済むというのは非常に良い点かなと思いますね。

出口氏(i-PRO):多分、世の中がIEからクロミウム系にガラッと変わった時は、前のシステムでは大打撃だったと思うんですよ。そういう点で安心して使っていけるのは、クラウドはかなり違うなというふうに感じています。

岡田氏(i-PRO):最近でてきたConfluence Cloudの「データベース機能」とかも、普通のスクラッチだとなかなかアップデートってないと思うんですよね。活用できるかどうか検証がいるとは思いますが、どんどん新しい機能が入ってきて使いやすくなっているというところがあるので、是非サポートをお願いしたいと思っています。

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i-PRO株式会社 岡田 裕文 様

INNOOV小西:全力でサポートしてまいります!あとは、クラウドの良さである一方で懸念される要素でもあると思われる点ですが、クラウド製品は「勝手に」アップデートされていきます。

受け取り方によっては、「今までの仕様が勝手に変わるのはどうなのか」という声もある中、御社では「新しい機能が出てくるから、それらを活用していこう」という受け取り方をされているのがすごくいいなと私個人思っています。

新機能をすぐ業務プロセスで活用するということは非常に難しいことだと思います。

そこは僕たちが伴走をして一緒に検証して、この要望はこの機能で実現できそうですねとか、この機能はこういう課題があるから使うの難そうですねとか、機能の実用性を一緒に判断していけるので是非お手伝いさせていただければなと思っています。

松本氏(i-PRO):やはり、機能向上や改善のハードルが低くなったという点がこのシステムにリプレイスしたことで起きた変化だと思います。

自前でサーバーを用意して構築すると、一つの新しい機能を作るに何百万とかかかる場合があるので、ほんの少しの改善でもかなりハードルが高かったのですが、今の仕組みではローコード/ノーコードで対応できたり、こちら(ユーザー)側で設定できる部分も以前よりは増えていると思うので、そういったところでの改善も期待できますし、いいなと思っています。

INNOOV小西:ちなみにスクラッチ開発のシステムの場合、変更をかけるとなるとどれぐらいの期間・規模になるのでしょうか?

岡田氏(i-PRO):開発する機能にもよるけど、3ヶ月~半年で数百万円くらいはかかると思いますね。まずヒアリング受けて、見積もり出して、だいたい齟齬があったりするのでまたその繰り返しですかね。(よくあるスクラッチ開発だと)あんまりトライ&エラーってできないので、テストが上がってきて初めて実機を見てなんか違うぞみたいなこともあるので、費用面もそうですけど時間もかなりかかると思います。

INNOOV小西:このシステムリプレイスのプロジェクトの開始っていつ頃でしたっけ?

岡田氏(i-PRO):スタートは2021年7月でリリースは2022年の5月頃ですね。最初は、前のシステムはこんな感じですみたいなのを少しお伝えしました。

嶺岸氏(i-PRO):ただ、従来のスクラッチシステムでは作り込みがあって、見え方もこういう感じにしてもらいたいというのがあって、かなり作り込んでいました。なので、今回構築したシステム(Jira/Confluence)のほうでは、スクラッチと比べて制約があります。ある程度標準機能の中で頑張って(要望を実現して)いるんだということもわかるので、その点については、これからもお互いに話しをしながら、より良い形を見つけていってほしいなと思います。

出口氏(i-PRO):Jiraの標準機能で実現いただいてるので、「こういうことがやりたい」などのカスタマイズ要望に対して、フルスクラッチのものに比べると圧倒的にハードルが低いというメリットを享受させていただいてるのかなと思っています。

フルスクラッチで作るときになると、「それは実現が難しい」とか「費用が掛かる」などといったやり取りをSEの人とすることがあるのですが、それが少なくなって、もちろん小西さんとかにいろいろと提案をいただいてるので、そういったことが達成できるようになったという点が、前のシステムとの違いなのかなというふうに感じてますね。

標準的に備わっているもので作り上げていくというところが、やっぱりフルスクラッチとの大きな差ですね。

INNOOV小西:システムのプラットフォームにおいて、カスタマイズが簡単にできる仕組みは、制約も多い。そこのトレードオフの中でどう最適化してより良い形を見つけていくかっていうところなんですよね。

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INNOOV株式会社 小西

これをやりたいんだけど、仕様上難しいというのがどうしても出てきてしまうので、ユーザー側の運用でカバーするのか、サードパーティーのアドオンを使うのか、あるいは標準の機能を使って見せ方を変えるか、管理の仕方における考え方自体を変えるのか、それらの選択肢の中で常に最適な方向を探していく。これは日々地道にやっていくしかないなというふうに思ってます。

 

質問⑤ Atlassian製品にリプレイスされたことで社内でのコミュニケーションにおいて変化はありましたか?

INNOOV小西:この新しいシステムになって、社内のコミュニケーションにおいて変化がありましたか?

松本氏(i-PRO):やっぱりJiraやConfluenceを使っているので、そこにできるだけ関連する情報を載せていこうという意識の変化みたいなところは、まだまだこれからですけれども、そういう流れは感じています。

TeamsやSharePointなど他のツールもいろいろあるんですけども、ConfluenceというWikiというかいろいろな情報を簡単に共有できるツールがあるということで、そこで内部のノウハウなどを関係者に見てもらえるようにするといったところのハードルが下がっているように思います。

岡田氏(i-PRO):Confluenceでいえば、関連するドキュメント上でスレッド形式でサクッとやりとりしたり、Jiraだとタスクやワークフローのチケット上でやり取りができるのでその辺は楽ですね。SharePointだとその上でやり取りできないので、どのツールで関係者と会話するか迷いますし、別で「ここに置いている文書についてですが」ってメールを打ったりすることをよくしていました。

出口氏(i-PRO):あとは、カンバンという見せ方ですね。全プロジェクトが今どうなっているのかについて一目で把握できるというところが大きなポイントかなと思います。

弊社の場合はソフトウェアだけでなくハードウェアも作るので、プロジェクトで実際に開発しているメンバーだけでなくSCMや製造など、様々な部署が製品の立ち上げに関して情報共有していかななくてはいけない。どの商品が今どの段階にあって、日程的に遅れているのかどうか、またどれぐらい遅れているのかがカンバンで可視化されるところが今回構築したシステムによって非常に分かりやすくなったのではないかなと思っています。

INNOOV小西:ありがとうございます。カンバン(ボード)はやっぱりJiraという製品の中でもぜひ活用してほしい機能ですね。

ただ、ワークフローのプロセスやプロジェクトの進捗をボード上でどう表現して視覚的にわかるようにするかというのはなかなか難しいかと思います。

ここのステップで滞留しがちだなとか、並行してこの2つが動いてるんだなとか、縦・横の位置関係をうまく使って視覚的に状況が分かるようになると、関係者やステークホルダーに状況をスムーズに伝えられるようになると思います。

 

質問⑥ 推進チーム内部での管理においてConfluenceは活用されていますか?

INNOOV小西:推進チーム内でもConfluenceを使ってナレッジを作るなどして内部での管理をされているかと思いますが、どのように活用されていますでしょうか?

松本氏(i-PRO):他のシステムの運用などにおけるノウハウや、技術者によく聞かれる内容をFAQのような形でまとめたり、あとは内部の運営管理メンバーで共有しなければいけないような内容・ノウハウをConfluence上でまとめて可視化をしています。属人的なノウハウがずっとこれまでかなりあったのですが、それらを個人から引き出してチーム内で可視化・共有していくためにConfluenceを活用しようとしています。

INNOOV小西:きれいに作られていますね。テーブルなどのマクロをうまく使って視認性を上げられています。

出口氏(i-PRO):今まで我々の方で情報発信するプラットフォームっていうのはなくはなかったのですが、Wikipediaのエンジンをそのまま乗せて使っていたんですね。そうするとWikiの構文が割と取っ付きにくかったんです。Confluenceはその点Wordと同じような感覚で文章が書けたり、表が載せられたり、ドキュメントが添付できたりっていうところで、発信する側にとっての技術的なハードルが非常に下がったんですね。

今までは一部の人間が地道にWikipediaのページを更新するっていうような形だったのですが、現在はみんなで技術者にとって役立つ情報を発信し、また、推進チーム内でもお互い何をやってる人なのかわからないという状態を解消していこうとしています。その際、Confluenceを大変有効に活用させていただいています。

松本氏(i-PRO):ユニークアクセスがどれくらいあるかわかるビューがありますよね、ページ毎で。

INNOOV小西:はい、Confluenceのアナリティクス機能ですね。

松本氏(i-PRO):「ビュー数が上がっていないから、このページは少し変えた方がいいのかな」とか、「子ページへの動線はどうかな」とか、そういったことが考えられるようになってきたなと感じるところはありますね。

出口氏(i-PRO):このページアナリティクスを見ていると、コンテンツは技術の人だけが見てるわけじゃないというのがわかったりして、違う視点からも情報を提供しなきゃいけないなという気づきが出てくるんですよね。どういう人がコンテンツを見ているのかを気にするようになってきたのは、やはりConfluenceのこういった機能ゆえだと思っています。

 

質問⑦ Atlassian製品でのお気に入りの機能は?

INNOOV小西:利用されているAtlassian製品においてお気に入りの機能はありますか?

嶺岸氏(i-PRO):Confluenceのウォッチ機能ですね。自分がウォッチしているページが更新されたら、メールが飛んでくるという機能です。実際には、開発支援として日程会議やデザイン会議の開催案内、結果報告などを個別にメールで送信していました。しかし、この方法では情報を求めている人に届かない場合もありましたし、特定のメンバーだけが情報を受け取っていたりすることもありました。そのため「必要な情報だけを取得したい」、「個別にメールに含めてほしい」などの要望がありました。

そこで、Confluenceのウォッチ機能を活用することにしました。

これによって、技術関連およびDR関連のイベント情報や結果報告などアップデートをリアルタイムで知りたいユーザーは自身で対象ページをウォッチすることで必要な情報をすぐに入手することができます。

現在この機能の活用による効果を確かめているところです。

 

質問⑧ 今どのような課題がありますか?

INNOOV小西:時間も迫ってまいりました。ここもざっくばらんに話していければ思いますが、今のこの仕組みにおいてどのような課題がありますか?プロセスにおける大きな課題はありますか? 

岡田氏(i-PRO):ITの観点で言うと、やはりかなりの短期間で構築したというのもあって、テンプレートのバリエーションがまだあまり多くない点ですかね。追加の開発イベントが出た際の対応や、不要なステップも自動生成されてしまうなどの課題はあります。現在まさにそこの改善を進めているところではありますが。ようやくその辺のところをもう少し改善できるところまで来ているのかなというふうには思っています。

嶺岸氏(i-PRO):システム側の課題ということよりかは、運用の課題なのですが、JiraとConfluenceという2つのツールがある中で、Jiraをまだ活用しきれていない点ですね。

ここの仕組みの中では、技術部門のユーザーはJiraよりもConfluenceの文書管理とかファイルのアップロードのほうが主に利用にされているのですが、Jira側のチケットも使って関係者とコラボレーションしたり情報共有するなどの活用がもっとできると思っています。

これについてはユーザーの方々と会話をしながら、Jiraでのタスク管理とか、チケットでのコメント機能を使ったコミュニケーションなど、活用方法をもっと周知していって、ユーザーの皆さんに標準機能をどんどん使っていただいて、パフォーマンスを上げてもらいたいなと思っています。

 

質問⑨ 今後どのような改善をしていきたいですか?

INNOOV小西:では最後の質問となります。今後、どんな改善をしていきたいですか?

松本氏(i-PRO):Confluenceに新しい機能として「データベース」機能が出てきたので、コンテンツの視認性を向上させたり、同じ情報からビューを変えて閲覧できるようにするなど、いろいろなことができそうなので、うまく活用していければなと考えています。

出口氏(i-PRO):QMS的な観点だと、まだまだQMSについては使いやすさというか、より実態に合わせた形で品質を担保できるような形での改善というのを継続的に進めていかなくてはいけないですね。

例えば、どのドキュメントがどの部門の人にどれぐらい見られてるのかといったように見える化できるようになってくると、このドキュメントは実際には活用されてないので作っても意味がないといった判断ができるようになります。QA(品質保証)と協力しながら、そういう分析にも手をつけていけたらなと思っています。

 

INNOOV小西:本日はお時間いただき誠にありがとうございました。

 

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